束の間の…





未知なる世界より、その者は来るであろう。その者が災いとなるか幸となるかはわからぬ。
ただ言えるのは、その者は妙なる力を持っておるということのみ…



















大巫女の予言どおり、タケルたちのもとに現れたのはひとりの少年と、彼を守るように寄り添う「神」。
身なりも自分たちと全く違う。彼らによれば未来の人間で、何かにここへ連れてこられたという。
彼の名を「佑介」と言った…。




佑介たちがこの時代に連れてこられた理由もわからぬまま、月日だけが過ぎた。
もちろんタケル、弟彦たちもそれを調べようと手を尽くしていたのだが。
ある日、佑介が弓をたしなんでいることを知った弟彦が「こんな時になんだが…」と言いつつも、気分転換になるだろうとタケル、佑介、そしてタケルたちが佑介と親しくなったことで、次第にその姿を現すようになった「神」こと、安倍晴明の4人で草原へと繰り出した。










「ちっが―――うっ!(殴) そんな弓の持ち方で遠くまで射れるかっ。こうだ、こうっ!!」
「…ちょっと、厳しすぎだぞ弟彦(^^;)。気持ちはわかるけど(苦笑)」
晴明も苦笑しつつ、タケルの隣で傍観していた。
『ま、佑介にはこのくらいがちょうどよいのではないか?(笑)』
「…みんなして、ひどいよ〜〜(T_T)」
佑介が殴られた頭をさすりながら恨めしそうに言うのに、思わず吹き出すタケルたち。

野を渡る風が心地よい。こんな穏やかな時間があってもいい。
4人とも、久しぶりにこの時を楽しんでいるようだった。
しばらくして「近くの川の水をくんでくる」と、弟彦がその場を離れた。


しごかれて、すっかりげんなりとしている佑介に、そっと近づいたタケルが笑いながら言う。
「弟彦は佑介のこと、見込みのある者だと思ってるのだよ」
傍らで、晴明も微笑っていた。
















そして、佑介たちがこの時代に来たのは、佑介が持つ「力」が関係している、ということがわかったのは、それからしばらくしてのことだった――――




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初めてSSもどきを書いてしまいました…。小説自体も書いたことないのに(^_^;)
「星宿海 渡時船」のはるうさぎさんちのキャラと、うちの「星紋」キャラのコラボです。
ああ、でもやっぱり墓穴。もっと素敵に書いてくれませんか、はるうさぎさん(おいっ!)
というよりもタケルくんや弟彦どののキャラを壊していたらすみませんっ。

小説の状況やセリフには、はるうさぎさんからいただいたお言葉も参考にさせて頂いています。
彼女によれば、佑介たちがこの時代に迷い込んだら、晴明公が周りには「神」に見えるだろうと。
それも良きことをもたらす神だと…。今回はその点には触れませんでしたけど(汗)
佑介たちがタケルくんたちの時代に迷い込む理由は、やっぱり何らかの形で「呼ばれた」という形が
しっくりくるかなと、予言というケースでやってみましたが。神託が重きを置いた時代ですしね。

お互いをどう呼ぶんだろうなということも考えましたけど、タケルくんと弟彦どのはやっぱり佑介のことは
呼び捨てでしょうね。佑介はタケルくんは同じ年頃だから呼び捨てにしても、弟彦どのは「弟彦さん」だろうな。
晴明公はどう呼ばれただろうなあ…(^_^;)


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