土御門の君(安倍晴明の奥方)

安倍晴明公の奥方であるこのお方…。「土御門の君」というのは正式の名前ではありません。
晴明公が住んでいたのが京の土御門大路のあたりという記録がありますので(『大鏡』)、
そこから私が勝手につけた名前です(^^;)。晴明公、奥方さま、ごめんねっ(-_-;)

実際に、奥方さまの名前は記録には一切出ていません。しかもどこの氏の出の姫君かということも載っていないのです。
唯一出てくるのは『源平盛衰記』で、晴明公の操る式神(しきがみ=陰陽師が駆使する鬼神や精霊)の顔を怖がったので、
彼は式神を一条戻橋の下に隠して、用事のある時にだけ呼び出したというエビソードがあります。
私はこの話は結構好きです(^_^)。なんかその時の情景を思い浮かべると思わず笑ってしまうほど、珍しく(?)ほのぼのしてますから。

でもちょっとここで待って下さい。式神というのは言うなれば精霊の類。普通の人には見えないはずです。それが奥方さまには
見えたということは…。この点からして奥方さまも晴明公と同じ、鬼を視る素質を持っている人だったのではないかと
私は思っているのです。友人は「師匠の賀茂忠行の娘だったとしてもおかしかない!」と言ってます。
確かに、陰陽師、もしくは修行者の娘だったとすれば、鬼を視るというのも頷けます。

このイラストはまだ結婚前、晴明公とは恋人同士の頃の奥方さまです。晴明公からの文を持ってきた
式神の白鷺…こんな使者もいいかもしれませんね、晴明公らしいというか(笑)

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