梨花風(りかのかぜ)

昔、梅の花からオウチの花まで、二十四の花を咲かせる風が順に吹く「二十四番花信の風」があり、
「梨花風」はその17番目の風とされ、清明の頃に吹くと言います。

「梨花」と聞くと晴明公の奥方様の名前なのですが、これは物語上のもので本当の名前はわかっていません。
平安時代の姫君につける名前としては珍しいタイプでしょうね。一般的には「○子」という形がほとんどでしたし。

仮にこの名前が架空のもので、なんでこういう形のものをつけたのかなあとも思ったものですが。
ちなみに、うちの奥方様の名前は「沙霧」です。ぶっちゃけた話、私の本名をちょいとアレンジしただけ(爆)

「清明」は、晴明公ともあながち無関係とは言えない時期で、この時期に元服して「晴明」を名乗るようになったとか、
また別の説では、「清明」の時期に晴明公が生まれたとか。その時期に吹くという「梨花風」。

私個人のこじつけかもしれませんが、御伽草紙「安倍晴明物語」などを書いた人は、この「清明」と「梨花風」の関係に
気づいたのではないかなあ…と。だから晴明公の奥方様の名前を「梨花」にしたのではないかと、ふと思ってしまったのですよね。

「風」というタイトルがついていますので、屋外の晴明公と奥方様を描きました。
今回は奥方様も、被衣はつけませんでした。自分の名前と同じ風を感じて欲しかったから。
梨の花も描きたかったけど、私の画力だと下手したら桜と間違われそうでやめました(^^;)

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