暁に散る花

「最期は、あなたの腕の中で眠りたいのです」
床の上で、いつもそう呟いていた妻。そして彼女は言葉通りに、暁の中で、この腕の中で散っていった…。

最初で最後かもしれない、晩年の晴明公と奥方様を描いてしまいました。…にしてもモチーフが悲しすぎたな(汗)
キリリクでこの2人のショットをリクエストされて、いろいろとイメージを巡らすうちに浮かんだものです。
文献などでは85歳まで生きたと言われている晴明公。とすれば、やはり奥方様のほうが先に亡くなられて
いるだろうな…と思って。彼の時代では「人生50年」と言われてましたからね。

人が亡くなる時刻にしても、そんなに考えてはいなかったのですけど、今回はなんとなく暁のイメージがありました。
奥方様を「花」と例えたのも単なる思いつきです。でも晴明公にとっては、本当にこの世に
たった一輪しかない、大切な花だったのかもしれません。

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